不妊治療の初診と検査

初診時と検査は不妊の原因を探り、治療方針を立てるのに必要

初診時には、問診や内診などいくつかの基本的な検査を行ないます(血液検査、超音波検査など)。子宮卵管造影検査やフーナーテスト、ホルモン検査なども必要ですが、月経周期に合わせて適切な時期にあらためて検査をします。これらのほとんどは健康保険が適用されるため、負担はそれほど大きくありません。

こうした基本的な検査は、体の状態や不妊の原因を探るために欠かせないもので、治療
の方針を立てるためにも大切です。
自分でタイミング法にトライする場合でも、受けておきましょう。  

不妊治療の検査の流れ

不妊の原因は多岐にわたるため、ま ずは問診や検査を行い、これからの治 療方針を決めていきます。検査は女性 も男性も受ける必要がありますので、 可能であればパートナーといっしょに 出かけることをお勧めします。

男性の不妊治療は泌尿器科や不妊治療専門クリニックで受けられますが、 初診や基本的な検査の場合は、婦人科でも可能です。 初診では、女性は問診や内診(触診)、 血液検査などを行いますので、受診時にはズボンよりスカートが便利です。

いずれにせよ、脱ぎ着しやすいほうがいいでしょう。男性の場合も問診と触診が基本で、睾丸や精巣上体、精管、 前立腺の触診を行います。 初診時に医師と相談し治療方針の方向性を決めたら、次回以降は基本的な検査を中心に、必要が生じた検査、あるいは気になる検査を選んで受けていくことになります。

初診

問診や触診、血液検査(女性)などから、不妊の原因となりそうな既往歴、生活習慣(夫婦生活)、男女それぞれの性機能の状態などを調べます。

基本検査

不妊原因を調べると同時に、女性は血液検査で貧血や一般的な病気のほか、性感染症の有無などを調べます。月経周期に合わせた検査では、卵胞刺激ホルモン(FSH)や黄体
化ホルモン(LH)、黄体ホルモンや卵胞ホルモンの値なども調べます。また超音波検査で排卵の時期を予測します。月経周期に対応した検査が多いので、1ヵ月以上かけて行います。
男性は精液検査を行います。

必要なに応じて行う検査

初診や基本検査の結果から、必要と判断された検査を追加していきます。検査を受ける人の希望も考慮されます。

初診時と検査の費用 約4000円〜1万円

問診、内診、超音波検査、血液検査などで約4000〜1万円
※治療費の金額はあくまで目安です。金額は施設によって異なります。

初診検査の多くは保険適用ですが、どの検査を行なうかは施設により異なるので、それによって費用も異なります。保険適用外の特別な血液検査などをすると、この金額より1万円ほど高くなることもあります。

その他の主な検査と費用

精液検査

約350円〜
マスターベーションで採取した精液を顕微鏡で調べる検査で、多くは保険適用になります。

子宮卵管造影検査

約1万円
子宮に造影剤を注入し、卵管へ流れる様子を×線で撮影する検査。保険適用になります。

クラミジア検査

約1500円
クラミジアは性感染症の一つ。その感染の有無を調べる検査です。感染していると病原菌が卵管まで進んでしまい、その周りに癒着を起こして、不妊の原因になることがあります。保険適用。

フーナーテスト

約300円
予測した排卵日の朝にセックスしてから受診し、内診で頸管粘液を採取して、射精された精子が子宮に到達しているかどうかを確認します。保険適用。